設立にあたって
呼吸器の疾病は感染症、腫瘍、アレルギー、生活習慣病など、多種多岐にわたります。近年、高齢化に伴う疾病構造の変化により、閉塞性肺疾患、高齢者の誤嚥性肺炎、肺癌などの呼吸器疾患は増加しています。世界的にみても呼吸器疾患の増加は顕著で、世界保健機関（WH0）は2020年には世界の死因の3～5位を慢性閉塞性肺疾患（COPD）、呼吸器感染症、肺癌が占めると予測しています。
鹿児島県も早くに高齢化の進んだ県であり、呼吸器疾患の増加は顕著です。一方、呼吸器内科専門医数は少なく、喘息やCOPDの死亡率は全国平均を大きく超えています。早急な呼吸器内科を目指す若い医師や学生の支援と環境整備が必要です。地域は呼吸器内科医を求めています。
このような現状に対して、呼吸器内科医の育成、研究の推進、国際交流及び呼吸器医療のより一層の充実を図るとともに、一般市民への正しい知識の普及のための啓発活動を行うことにより、最善かつ十分な呼吸器医療を受けることができる社会環境の確立に寄与することを目的として、この一般社団法人を設立しました。本法人は正式名称を「一般社団法人 南日本呼吸器研究支援機構」といい、略称は「START Southern (Support for ThoAcic Research Team in Southern Japan」です。
法人の目的に賛同し、入会していただいた鹿児島県を含む南九州の呼吸器内科の成員を会員として、そこから得られる会費と、当機構に賛同する個人・企業からの寄付金を財政基盤として、その契約の主体及び会計処理を明確にし
- 呼吸器内科医の教育・研修に対する支援及び研究者・医師の招聘
- 呼吸器領域における研究会開催及びその支援
- 呼吸器領域における施設間共同の臨床・基礎研究の推進
- 呼吸器疾患の啓発・医療情報の提供及び市民公開講座の開催
- 呼吸器領域における国際交流及び研究発表に関する支援事業
等の事業により、呼吸器医療を積極的に推進することで、より一層の社会的信用を得て、公益に寄与していきたいと考えています。
